ロックが格好良かった時代
David Bowieがこの世を去った。まだロックが破壊とイノベーションでかっこよかった退廃的な時代を象徴する人がまた一人去ってしまった。
そして何よりもボウイはビジュアル的に本当に美しくかっこいいのだ。その中性的なマスクと声がかもしだすオーラは間違い無く真のロックスターだ。
初期のグラムロック時代を代表する曲としてはこのスターマン。残念ながらさすがにリアルタイムでは無く,この後に紹介する曲でデビットボウイを知ってからさかのぼって知った曲。当時は奇抜な試行錯誤かと思っていたけど,今から思えばミュージックビデオで映像が全盛になるはるか前から映像と音楽の両面の表現で勝負していたわけで映像時代を予見していた挑戦。退廃的でかっこいい。
やっぱりブリティッシュロック
80年代になるとMTV全盛時代。イギリスのミュージシャンもアメリカチャートを意識して売れ筋の曲とPVを乱発する時代。デビットボウイもナイル・ロジャースプロデュースでダンサブルなアルバム「レッツダンス」を出して大ヒットを飛ばす。それでも,デビットボウイはやはりブリティッシュロックとしてのかっこよさを常にかもしだしていた。曲は超売れ筋の80年代ロックぽいこのモダンラブだが歌詞は強烈。
まさにこの退廃主義宣言でもよく警告している「米国キリスト教の教える清き恋愛」というスタイルを完全否定している。つまり恋愛というものもその時の政治や支配者などによっていくらでも都合よく使われてしまうということだ。
Love & Peace
不倫カップルの愛しあうキスからベルリンの壁を壊す象徴の曲も書き上げていた。やっぱりロックはLove & Peaceなんだよと格好良く歌う。
現代の日本人向けのメッセージソングとしてはこれをおいて他にないだろう。
クイーンとの共作で出だしとかクイーンぽいけど,中盤のメロディラインはやはりデビットボウイの曲なんだと思わせる。真面目に生きるプレッシャーのもと驚異的な自殺率を叩き出す日本人にプレッシャー感じてちゃだめ愛だよ愛と叫ぶ。
ロックスターは酒か薬か交通事故かHIVで早死にすると言われていたのも昔。今生きているロックスターは摂生して長生きだ。そんな中69歳の死はやはり若すぎる。格好良すぎたロックスターは自分の作品の通り,宇宙飛行士になってスターマンになってしまった。R.I.P.